前回の本では、
AIにできることとできないことをはっきりと区別した上で、現在のAIに構造上できない「文章の意味理解」が、現在の多くの日本人にできていないことつきつけられたが、その解決策はみつかっていない
ということを述べていた。
今回はその解決策を著者なりに述べてくれるのかなーと期待して購入した。
意外なことに。著者が開発した読解力を測るテスト「RST」の成績と、読書の量や本の内容とは一切の相関がなかったそうだ。
そしていい大学、いい中高に入れる人は、もともと読解力が高く教科書をきちんと読めていたために試験もきちんと解けていた、という因果関係らしい。
教科書が読めない人は、AIのようにキーワード的(bag of words)に現象などを理解していて本当に読めていることにはならない。
入試は暗記科目?
このような背景には次のような理由があるかもしれない。「入試が暗記を求めるから、暗記をする」のではありません。「入試は読解力を求めているのに、読解力が不足している人は暗記には知らざるをえない」というのが事の真相ではなかろうか。全体の読解力が低下していき、おおくの生徒が暗記に走れば、「読解力を求める問題」ばかり出題していれば、ほとんどの受験生が解けず、テストにならない。その結果入試の役割を果たせなくなり、大学側が譲歩せざるを得なくなる。実際に、旧帝大のいくつかでは、10年以上前から証明問題を出題できない状態に陥っているそう。。。
読解力はあげられる?
ある人が、「なんだか朝から体がだるく、何もする気が起こらない」と困っているときに、「これを飲めば必ず治る」という薬を紹介するものがいたら、十中八九詐欺だと思った方がいい。なぜなら、体がだるくてやる気が起きない理由には、ありとあらゆるさまざまな原因が考えられるから。
「読めない」という症状にも同じことがいえる。読めない上京にはさまざまなパターンと原因があります。
学校教育の意外なところに問題が!?
「1人も置き去りにしない」ために、角速度が遅い生徒に合わせたプリントやワークシート類、情報かを推進するための電子黒板が、ノートを取れないまま卒業する小学生を大量に産んでいた。その人たちはキーワード検索でプリントを埋める、とかそのプリントでテスト対策をする、ことでAIのようなキーワード理解に走ってしまっている。
この、アクティブラーニングという、一見よさそうにみえる教育にも落とし穴がったのです。。。
印象に残った文章
人間のように賢い動物は同じようなことを何度も練習させられると、おおくの場合、楽だけども非本質的な解き方を会得する。本人が「どう効率化したか」を認識していればまだいいですが、多くの場合、そうではありません。
君たちはノートをうつす、ということなど極めて退屈で無意味な作業だと思うのだろう。だが、皮肉なことに、君たちが侮る作業を機械に頼ることによって、実は君たち自身の質を低下させていることに気付いていない。
人間のもっとも優れているところは、意味を理解できるところと、怠ける天才であることです。
人間の脳は不思議で、あることができるようになると、できなかったときになぜできなかったかを思い出せません。
実戦したいこと
思った、面白かった、などの主観的表現を避ける!
とても、すごく、よかった、などの定型的な文体に逃げ込まないよう、制約をつける!!
ニュースを選び、感想をツイートする(1日1つ)